【のし書き方と水引】開店・開業祝いの正しい包み方【図解付き】

【のし書き方と水引】開店・開業祝いでご祝儀を贈る際の正しい包み方 開業祝いのマナー

開店・開業祝いでご祝儀を贈る際に悩むのが、のしの書き方や水引の選び方です。こういったマナーを教えて貰う機会はなかなかありませんが、間違ったやり方をしていれば、「非常識」というレッテルを貼られかねません

良識ある社会人として、正しい「のしの書き方」や「水引の選び方」、「現金の包み方」を覚えましょう。

熨斗紙(のし)の名称

わたしたちが一般的に呼んでいる「のし」は、「熨斗紙(のしがみ)」のことを指します。熨斗紙は、次のように名称が決まっています。

ご祝儀袋名称

①が「熨斗(のし)」です。熨斗紙の右上に付いており、日本での贈答を示す象徴です。お祝いごとでご祝儀やお菓子、お酒などをあげる際は付けますが、生ものを贈る場合は一般的に付けません。

②が「水引(みずひき)」です。贈答品や封筒に付ける飾りで、開店・開業祝いでは紅白・金銀・赤銀などの水引を選ぶのが一般的です。

③が「お祝いごとの内容」です。

④が「贈り主の名前」です。間違っても相手様の名前を書いてはいけません。

のしの選び方・記入時の注意点

のしを選ぶ際や記入をする際に注意しないといけないのは、以下の3点です。

  1. どの水引を選ぶか
  2. どのように表書きを書くか
  3. どのように贈り主の名前を書くか

水引(みずひき)の選び方

水引は大きく分けて、「蝶結び(別名:花結び)」と「結び切り」の2タイプがあります。

蝶結びの水引

蝶結びの水引

開店・開業・開院祝いの水引は、「蝶結び」を選ぶのが一般的です。蝶結びは何度でも結び直せるので、何度でも繰り返して御祝いをしたい、という意味が込められています。ただし地域によっては、「淡路結び」を選ぶ場合もあります。

結びきりの水引

結び切りの水引

反対に、「結び切り」は二度とあってほしくない場合の行事、たとえば結婚式や弔事などで使われるため、開店・開業祝いには向きません。

お祝いごとに適した水引の色は紅白・金銀・赤銀などで、5本紐が一般的となっています。

また最近では、のしに水引が印刷されているものも多くなっています。

印刷されているものを使ってもいいのは、同封する金額が安い(1万円以下)場合です。反対に、親族や大切な人、重要な取引先などに贈る場合は実際に水引がかかったのし(ご祝儀袋)を選ぶべきです。

表書きの書き方とマナー

①表書きを書く際は、必ず毛筆もしくは筆ペンで記入します。ボールペンや万年筆を使ってはいけません。

②字体は楷書体で濃く鮮明に記入して下さい。

③御祝い内容が四文字だと「死文字」で縁起がよくないとされています。なるべく四文字にならないように、

「開業祝い」→「御開業御祝」

「開店祝い」→「御開店御祝」

のように書くのがおすすめです。もちろん「御祝」だけでも大丈夫です。

贈り主の名前はフルネームで御祝い内容よりも小さめに記入します。名前の書き方はいくつかのパターンがあるので、この後詳しく解説します。

ポイント
毛筆もしくは筆ペンで記入
墨の色が濃く鮮明、薄れていない
楷書体で書く
御祝い内容が四文字になっていない
名前はフルネームで、御祝い内容よりもやや小さめに書く

【パターン別】贈り主の書き方例

表書きの下段には、御祝い内容よりも小さめの文字で、名前をフルネーム記入します。文字が水引にかかったり、不自然な余白ができたりしないよう、全体のバランスに注意しましょう。

なお、連名の場合や会社名を入れる場合、夫婦連名の場合は少し記入方法が異なります。

連名の贈り主の書き方(2名もしくは3名)

連名(2名、3名)

  • 右から左にかけて、格上・年長者順にフルネームで記載
  • 文字の大きさは全員同じ
  • 友人同士の場合は右から50音順

連名の贈り主の書き方(4名以上)

連名(4名以上)

  • 4名以上の連名は代表者の名前をフルネームで記載
  • その左側に名前よりも小さめに「外一同」と記載
  • 贈り主全員の名前は、奉書紙もしくは和紙に記載し、中包みに同封

4名以上の連名(中包み)

和紙や奉書紙の中央上部に「寿」と記入、その下にフルネームで贈り主の名前を記載する。右から左にかけて、格上・年長者の順番にする。友人同士の場合は右から50音順で記載。

会社名を入れる場合の贈り主の書き方

会社名と個人名のし

  • 会社名を入れる場合は、まず下段に贈り主の名前を記載
  • その右に少し小さめに会社名を記載
  • 会社名が英数字を含む場合は文字にバラツキが出やすいので、カタカナでの記入がおすすめ

夫婦連名の場合の贈り主の書き方

夫婦連名

  • 夫婦連名の場合は、右側に夫(世帯主)の名前をフルネームで記載
  • 左側に妻の名前のみを記載

中包みの書き方例

内包みの書き方

中包みは、祝儀袋を購入すると一緒に付いてきます。もしなければ奉書紙や和紙で代用しても構いません。

書き方は、表面に封入金額、裏面に住所と名前を記載します。

金額は、一般的な漢数字や算用数字を使いません。

壱弐参四伍六七八九拾百千萬圓」といった漢字を使います。

たとえば一万円なら「壱萬圓」、三万円なら「参萬圓」、十万円なら「拾萬圓」のような書き方です。なお、裏面に数字を記載する箇所があれば、表面に金額を書く必要はありません。

お金の入れ方

開店・開業祝い用の祝儀は、基本的に新札を使います。

入れる向きは表側に人物の顔がくるようにします。必ずお札の向きをすべて揃えましょう。

新札が手元にない場合は、銀行窓口もしくは郵便局でも両替を受け付けているので、「新札に両替して下さい」と言って、両替してもらいましょう。

ご祝儀袋を持っていく際は袱紗(ふくさ)を忘れずに!

袱紗

ご祝儀袋を持っていく際は、裸で持っていくと、礼儀的にあまりよろしくないので、袱紗(ふくさ)に包みましょう。

袱紗に入れておけば、祝儀袋の水引が解けたり、しわになるのを防いでくれます。袱紗の色は、桃色や朱色、エンジ色などの暖色系がお祝いごとの袱紗としては適しています。

袱紗の畳み方は、以下の通りです。

袱紗の畳み方